国際結婚ってどうやって手続きするの?中国で入籍するには何が必要?
この記事では、中国で入籍することになった経緯と、実際に必要だった書類や手続きの流れを、私自身の体験談として詳しくご紹介します。
国際結婚を考えている方や、中国人パートナーとの結婚を検討している方の参考になれば嬉しいです。
中国で入籍した際の旅の思い出を綴っています!
同じように中国文化や国際結婚に興味をもつ方に、楽しんでいただけたら嬉しいです。
はじめに|国際結婚を選び、中国で入籍
2024年、私たちは中国で入籍しました。
お互いに日本で暮らしていながら、あえて中国で婚姻手続きを行ったのには、理由があります。
彼の戸籍の事情により、日本側で必要な書類が揃えられなかったためです。
「それなら、いっそ彼の国で入籍しよう」と決めた私たち。今回は、国際結婚カップルが中国で入籍するまでのリアルな記録をお届けします。
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ちょっと特殊な進め方だったかもしれないけど、中国南西あたりが故郷のパートナーがいる人には参考になることもあるかも
日本で出会った国際カップルの交際記録
私たちが出会ったのは日本。マッチングアプリがきっかけでした。
彼は中国出身で日本で仕事をしており、日常生活はほぼ日本語。話も合い、自然な流れで交際が始まりました。
一緒に食事をしたり、休日に出かけたりと、国籍の違いを意識することはあまりなく、恋人としての時間を重ねていきました。
中国で入籍を決めた背景
日本での婚姻手続きができなかった戸籍の事情
結婚を真剣に考えるようになり、日本で婚姻届を提出する方法を調べていく中で、
私たちはある問題にぶつかりました。
それは、中国側で「婚姻要件具備証明書(独身証明書)」を取得することが難しいという事情です。
「婚姻要件具備証明書」とは?
この書類は、外国人が日本で結婚する際に必要とされる「独身であり、婚姻に法的な支障がないこと」を証明するものです。
日本の役所では、中国人パートナーにこの証明書の提出を求めるのが一般的です。
中国人側はどこで取得するの?
原則として、中国人パートナーは駐日中国大使館または各地の総領事館でこの証明書を申請・取得できるようです。
ただし、本人の戸籍や身分証明書の状態、発行地、手続きの履歴などによっては、
この方法が適用できないケースもあると私たちは知りました。
私たちの場合:発行できなかった理由と選択
私の彼の場合、戸籍の内容や過去の手続きの事情により、日本にある中国大使館・領事館での発行を勧められませんでした。
よって結果的に日本で婚姻届を出すルートが取れなかったのです。
それなら、彼の地元である中国で婚姻手続きを行おうと決断したのが、私たちの選択です。
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事情と言っても、一人っ子政策世代には稀にある事情
だから彼は危ない人ではないよ
今後、同じように日中カップルで結婚を検討している方がいれば、
このような例もあるということを知っていただけたら嬉しいです。
私たちが「中国で入籍する」ことを選んだ理由
日本での手続きが進められないなら、中国で入籍しよう。
私たちにとってそれは「一番現実的で、確実な方法」でした。
彼も日本で仕事をしており、本帰国の予定はありません。
しかし中国の家族との挨拶もしたかったため、その滞在中に手続きを済ませるのが効率的だと考えました。
そのため「家族への紹介」と「婚姻手続き」を同時に行えることも、決断の後押しになりました。
国際結婚|中国での家族挨拶
中国・四川の家族の家に宿泊

入籍の手続きを行うため、彼と一緒に中国・四川へ向かいました。
せっかくの機会だったので、彼の実家にも数日間滞在し、家族に正式にご挨拶することに。
と言っても私は中国語は話せません。
加えて家族も日本語を話せないので、自己紹介みたいなことは何もしていませんが笑
それでも、家族やその友人に囲まれて過ごす時間は、日本とは少し違った温かさと賑やかさがありました。
文化の違いに戸惑いつつも、歓迎されていることを実感できました。
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2週間滞在したけど、言葉わからなくても平気でした
中国への入国・入籍についてたくさん調べてくれた家族
実は、この時期の中国渡航は、まだ観光ビザが簡単に取得できないタイミングでした。
私が中国へ入るためには、中国国民からの招聘状(招待状)が必要でした。それは宿泊先がホテル以外、つまり家族宅である場合には特に重要な書類です。
この招聘状の発行やビザ申請サポートを含め、彼の家族も一緒になって準備してくれました。
さらに、私たちが日本での入籍を断念したあとも、
「中国ではどういう方法なら婚姻できるか。」
「必要な書類は何か。」などを実際聞きに行ってくれたり、ご家族も一緒に調べてくれました。
国際結婚は当事者同士だけでなく、家族同士の協力や理解もとても大きな力になる。
そう強く感じた出来事でした。
中国で入籍するための手続きと流れ
日本で準備すべき必要書類一覧
私が準備した書類は以下のとおりです:
- 戸籍謄本:3ヶ月以内のもの、念のため2枚
- パスポート
中国での日本人側の準備|婚姻要件具備証明書の取得について
まず国際結婚において中国で婚姻手続きを行うにあたり、日本人側もいくつかの書類を準備する必要がありました。
その中でも特に重要なのが、「婚姻要件具備証明書(独身証明書)」です。
この証明書は、「日本国民である私が現在独身であり、法的に婚姻可能である。」ことを証明する公的書類で、
中国での婚姻登記に必須とされています。
項目 | 私の場合についての内容 |
---|---|
取得場所 | 在重慶日本国総領事館 |
提出した書類 | 戸籍謄本(日本で取得) |
取得した証明書 | 婚姻要件具備証明書(中国語) |
手続き日数(目安) | 30分 |
手数料 | 60元 |
取得場所:在重慶日本国総領事館

私は今回、在重慶日本国総領事館にてこの証明書を取得しました。
在重慶日本国総領事館は重慶市、四川省、雲南省および貴州省の1市3省に対応する総領事館であるため、四川から新幹線で片道2時間かけて向かいました。
在籍のスタッフは日本人ではないものの日本語を喋れる方でした。
提出資料:戸籍謄本
必要書類として持参したのは、日本の戸籍謄本とパスポートです。
そのうちの戸籍謄本は総領事館に提出しました。
ちなみにパスポートは在重慶日本国総領事館での身分証明に必要ですが、そもそも新幹線の乗車にも必要だったり、中国ではちょくちょく使います。
手続き日数(目安)
私たちが在重慶日本国総領事館を訪れた時は他の利用者はいませんでした。
手続きは比較的スムーズで、申請から30分もしないくらいで証明書が発行されました。
この証明書は、取得後すでに中国語となっているため、翻訳は不要でした。
また、中国で取得し中国で使用するものなので公証も不要でした。
日本人の婚姻要件具備証明書は日本での発行も可能ですが、現地の総領事館で取得することで、手続きが一貫して行えました。
民政局での手続き
中国の写真館で结婚证用の写真撮影
日本にはありませんが、中国には结婚证というものが発行されます。
入籍をした日・結婚証明番号などが記載され、二人で写った写真が貼られます。
この写真に貼る写真は民政局近くの写真館で撮影しました。
項目 | 私の場合についての内容 |
---|---|
受取までの日数(目安) | 30分ほど |
料金 | 90元 |

証明写真になるので、眉毛に髪がかかってはいけないというルールがあります。
顔の歪みを整えてくれたり、肌を綺麗にしてくれたり、写真が加工されていく様子を見てその技術に感心したのを覚えています。

お昼ご飯を食べてる間に仕上がりました。
仕上がり・時間・価格すべてに満足です。
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ちなみにどうやら日本でも撮影できるところはあるみたい
入籍手続き当日

入籍手続きは彼の地元の民政局(婚姻登記所)で行いました。
受付の背景にはお祝いの文字があらゆる箇所にあり、フォトスポットのようなブースも用意されていました。
そこで必要事項を記入し、当日中に结婚证が発行され中国での入籍が完了します。

家族とその友人とで行ったので、賑やかでした。
記念写真もたくさん撮りました。
しかし、ここまでは中国での入籍が完了したのみ。次は日本への反映手続きが必要になっていきます。
日本への連動手続きの準備
一般的には「中国で入籍 → 日本で婚姻届を提出(報告的届)」という流れになります。
しかしここで序盤でお話しした、彼の日本での婚姻手続きができなかった戸籍の事情が関わってきます。
日本で手続きをするには、やはり彼が取得するのが困難な書類が必要になってしまうのです。
なので私たちは、再び在重慶日本国総領事館で手続きをすることにしました。
中国国内にある日本大使館または領事館での婚姻手続きが完了すれば、帰国後に再度届け出を行う必要はありません。
そのために必要な書類も中国で準備しました。

律政公证处へ必要書類の作成を依頼
在重慶日本国総領事で日本への婚姻届出をするために、事前に準備しなければならない書類は以下でした。
- 婚姻公証書2通(1通は原本,2通目は写し可)
- 上記の和訳文2通(1通は原本,2通目は写し可)
- 中国人配偶者の国籍公証書2通(1通は原本,2通目は写し可)
- 上記の和訳文2通(1通は原本,2通目は写し可)
民政局にて紹介してもらった四川省成都市律政公证处へ行き、これらを作成してもらいました。
項目 | 私の場合についての内容 |
---|---|
取得場所 | 四川省成都市律政公证处 |
提出した書類 | 結婚証明書用で撮影した写真 |
取得した証明書 | 婚姻公証書と和訳文/中国人配偶者の国籍公証書と和訳文 |
手続き日数(目安) | 郵送で2日後 |
手数料 | 催促したので800元くらいだったと思います |
四川省成都市律政公证处は公証業務を行う国家機関です。
外国関係の公証業務を行う資格を持つ公証員がいるため、紹介されたようです。
この辺りは記憶が曖昧な部分もあるので、参考程度に読んでいただければと思います。
日本への婚姻届出(報告的届)

律政公证处から必要書類が郵送されてきて、いよいよ日本への婚姻届出に再び在重慶日本国総領事館へ向かいます。
必要書類を提出し日本に届ける婚姻届を記入します。
日本在住にも関わらず、総領事館を経由して結婚するのは少し疑わしいようで、いくつか質問を受けました。
しかし理由を説明すると納得いただけたので、無事届出ることができました。
本来なら、理由がなければ弾かれてしまうとのことです。
これでようやく、日本への届出も完了したのでした。
日本への反映は1〜3ヶ月かかるそうです。
私は1ヶ月後に区役所で確認すると反映されていました。
日本で取得した姻要件具備証明書を使わなかった理由
今回私は中国で婚姻要件具備証明書を取得しました。
しかし日本で自身の婚姻要件具備証明書を取得することもできます。
私も実際は念のために、日本で自分の婚姻要件具備証明書を取得していました。
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中国に行ってから資料が足りないと困るからね
婚姻要件具備証明書を他国に提出するには公印確認もしくはアポスティーユを取得する必要があります。そして提出先の言語に翻訳が必要です。

私は日本の法務局で取得した婚姻要件具備証明書を外務省へ郵送し、公証を取得するところまで準備を進めていました。
外務省へ電話で確認すると中国はアポスティーユ加盟国であるとのことだったので、公印確認ではなくアポスティーユで申請をしました。
ところが、中国ではアポスティーユの真偽を問われます。
なぜか公証として申請してアポスティーユを取得したのに、その真偽を問われるのです。
にも関わらず日本では真偽の証明を発行していないとのこと。
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真偽を証明してもまたその真偽を問われるんじゃ…って思っちゃった
さらに、中国が認める機関での通訳が必要になります。
とても複雑だと感じた私たちは、日本で取得した婚姻要件具備証明書を使わず、日本国総領事館で取得することにしたのでした。
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やっぱり国際結婚の手続きは難しいものなのだと実感した
実際にかかった費用や日数の記録
手続き自体は3日で完了しました。
費用は合わせて900元くらいだったと思います。
加えて新幹線なども使う必要があったので幾分かかりましたが、私たちが日本で手続きをするとなると、彼の必要書類を揃えるためには一度の渡航では済まなかったと思います。
それを思うと、今回の手続き自体は非常にスムーズなんだと思います。
また中国旅行も兼ねての渡航だったので、初めてのいい経験になりました。
おわりに|中国で入籍した私たちが伝えたいこと
中国での入籍は、かけがえのない思い出の一つになりました。
もし似た境遇で、日本での入籍が複雑になってしまう人たちが私たちの他にもいたなら、この記事が参考になれば嬉しいです。
今後もこのブログでは、中国文化や国際夫婦としての日常、そしてこれから迎える変化について綴っていきたいと思います。