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【国際結婚と名字】日中夫婦が「夫婦別姓」を選んだ理由と葛藤

日中夫婦が「夫婦別姓」を選んだ理由と葛藤 日中夫婦
日中夫婦が「夫婦別姓」を選んだ理由と葛藤

結婚しても名字が変わらないっていうのは、便利さの反面、少しの寂しさもありました。
今回は、私たち日中夫婦が「夫婦別姓」を選んだ背景と、ちょっとした葛藤についてお話しします。

hikari
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日本で生まれ育った私としては、結婚で名字が変わるって人生のビッグイベントの1つだと思っていたんです。

日本の夫婦別姓事情と、国際結婚の場合

まず、日本の現状について少しだけ整理しておきます。

日本では法律上、夫婦別姓は認められていません
民法第750条により、「夫婦は必ずどちらか一方の姓を名乗らなければならない」と定められており、夫婦同姓は法的義務とされています。これはG7諸国の中でも日本だけという、世界的に見ても珍しい制度です。

ただし、「選択的夫婦別姓制度」の導入については、近年たびたび議論されています。
内閣府の世論調査(令和3年)によれば、特に20代〜40代の若い世代では導入を支持する声が多いことがわかっています。

国際結婚の場合は別姓が認められている

一方で、日本人が外国人と結婚する国際結婚の場合は少し事情が異なります。
この場合、日本人配偶者が名字を変えるかどうかを自分で選ぶことが可能です。

結婚後6ヶ月以内であれば、市区町村役場に「外国人との婚姻による氏の変更届」を提出することで、相手の姓に変更できます。
逆に言えば、名字を変えずにそのままでいる=夫婦別姓を選ぶことも可能なのです。

国際結婚における姓の選択肢

夫婦別姓

国際結婚の場合、日本では以下の選択肢があります:

  1. 夫婦別姓を維持(最も一般的)
  2. 日本人配偶者が外国人配偶者の姓に変更(上記の手続きによる)
  3. 外国人配偶者が日本人配偶者の姓を通称として使用(法的変更ではない)
  4. 第三国で婚姻手続きを行い、その国の制度に従う

このように、国際結婚では実質的に選択肢があります。


中国での入籍は、自然と「夫婦別姓」だった

私たちは中国で入籍しました。
手続きの中で、夫婦の姓について特に問われることもなく、自然と「別姓」が前提として扱われました。

日本では「同姓」が当たり前の文化ですよね。

中国で入籍する際に名字に関する質問をされた記憶がありません。
「そういえば、なんの確認もな勝ったな」と驚いたのを覚えています。

中国で入籍|結婚証 日中ごよみブログ国際結婚/日中夫婦
結婚証|中国で入籍した際に発行されたもの

中国の夫婦別姓制度について

中国では1950年ごろ以来、夫婦別姓が基本となっているようです。

これは男女平等の理念に基づくもので、女性の社会進出と権利向上を目指した政策の一環なのだそう。
現在でも、結婚後も夫婦それぞれが生まれ持った姓を名乗ることが一般的で、姓を変更することの方が珍しいとされています。

hikari
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私の義母と義父も実際には名字が異なっています。


世界の夫婦別姓事情 – 各国の制度を比較

世界各国の夫婦の姓に関する制度を見てみました。

夫婦別姓が基本の国々

  • 中国・韓国: 伝統的に夫婦別姓。
  • タイ・ベトナム: 文化的に夫婦別姓が一般的。

選択的夫婦別姓の国々

  • アメリカ: 州によって制度が異なるが、多くの州で選択制
  • カナダ: 州によって制度が異なるが、一般的に夫婦で別姓を維持するのが主流
  • フランス: 法的には出生時の姓を変えず、夫婦で別姓が原則。ただし通称使用は認められており、事実上選択制
  • ドイツ: 夫婦同姓・別姓を自由に選択できる
  • イギリス: 法的な規定はなく、慣習的に選択制

夫婦同姓が基本の国々

  • 日本: G7で唯一、法的に夫婦同姓を義務化
  • インド: ヒンドゥー教の伝統により、妻が夫の姓を名乗ることが一般的

世界的に見ると、法的に夫婦同姓を義務づけている国はごく少数のようです。
多くの国では姓の変更は「個人の選択」に任されています。
文化や宗教的背景によって慣習は異なりますが、「法律で強制される」ことはほとんどありません。


実は、名字が変わることにちょっと憧れていた

日本人である私は、結婚して夫の名字になることに何となく憧れがありました。
人生の節目として、名字が変わることで「結婚した実感」を得られるのではないか、そんな気持ちもありました。

hikari
hikari

新しい名字で姓名判断してみたりするのは、あるあるですよね!

でも、それは日本では「同姓」が当たり前だから。
「周りがみんなそうだから」夫婦別姓に何となくの迷いがありました。

なぜ日本で「同姓への憧れ」が生まれるのか

この感情は、明治時代から続く日本の家族制度の影響があるのかもしれません。

明治31年(1898年)に制定された民法では、妻が夫の家に入る「家制度」が確立され、妻は夫の姓を名乗ることが義務とされました。
戦後の民法改正で家制度は廃止されましたが、夫婦同姓の制度は残り、「結婚=姓の変更」という意識が文化的に根付いているのでしょうね。

現在でも、結婚式の演出や結婚関連の商品・サービスでは「新しい名前での人生のスタート」といった表現が多く使われ、姓の変更が結婚の象徴になっていますね。

友人は「夫婦別姓」推し

雑談の中で、既婚の友人や知人(日本人同士で結婚)がこんな話をしてくれました。

「名字が変わるの、正直ブルーだった時期があった」
「職場で慣れない名字で呼ばれるのは違和感がある」
「銀行とか役所の手続きも面倒だったなあ」

「名前が変わる=大きな手間とストレス」でもあるという意見でした。

姓変更に伴う具体的な負担

夫婦別姓による名義変更

実際に、結婚により姓を変更する場合、以下のような手続きが必要になります:

  • 住民票、戸籍、印鑑登録の変更
  • 運転免許証、パスポートの変更
  • 銀行口座、クレジットカード、保険の名義変更
  • 職場での書類変更
  • 各種資格・免許証の変更
  • 賃貸契約、公共料金などの契約者名変更

これらの手続きには時間と費用がかかり、働く女性にとっては大きな負担となることが多いのです。

最終的に外国人の同僚の言葉が、私の中で何かを変えた

悩み続けていた頃、職場で一緒だったモンゴル人の同僚から聞いた話がありました。

「モンゴルでは、夫婦別姓が当たり前」
「同じ名字だと、兄妹みたいな感じがして不自然」

当時の私
当時の私

兄妹!国によってそういう認識にもなるんだ!

最初から、「名字を変えたい」と思っていた自分の気持ちが、日本で育った価値観によるものだという自覚はありました。

それでも、モンゴルのように夫婦別姓が当たり前の国の話を聞いたときは、改めて「自分の常識は、あくまで“日本の常識”だったんだな」と感じました。

一方中国では、同じ名字の人が親族でなくてもたくさんいます。
だから「同姓=家族」という発想が、必ずしも当てはまるわけではないんですよね。

他の国々の事情や文化を知るうちに、自然と「名字」へのこだわりもやわらいでいきました。


夫婦別姓のメリットとデメリット

実際に夫婦別姓を選択することで感じるメリットとデメリットについても考えてみました。

メリット

  • アイデンティティの継続性が保たれる
  • 職業上の名前の変更による混乱がない
  • 各種手続きの負担がない
  • 国際的には自然な選択として受け入れられる
  • 個人の選択と自由が尊重される

デメリット

  • 日本社会では説明が必要な場合がある
  • 家族としての一体感に対する不安(個人の感情として)
  • 子どもの姓をどうするかという問題
  • 法律婚ではなく事実婚と誤解される可能性

夫婦別姓にした理由、そして今の気持ち

最終的に私は、夫婦別姓を受け入れました。

hikari
hikari

そのため名字変更に伴う、めんどくさいと言われる手続きはいっさいしてません。そして夫婦別性であるデメリットも今のところ何も感じていません。

日本と中国、そのほかの国、それぞれの文化を知ることで、「名字」への考え方にも違いがあることを実感しました。

いまは、その違いを受け入れて暮らしています。

未来への展望 – 選択の自由について

ちなみに、「子どもの名字や国籍はどうなるの?」とよく聞かれます。
確かに、国際結婚だと気になるポイントですよね。

でも正直なところ、私は今回の名字の悩みを考える中で、「子ども」のことまではあまり想像していませんでした。
今のところは、まず自分たち夫婦のあり方にしっくりくる形を選びたかった、というお話でした。

日本でも徐々に、多様な家族のあり方が認識されるようになってきています。
選択的夫婦別姓制度の議論も続いていて、いつか個人が自由に選択できる日が来ることあるかもしれません。

そしたら国際結婚における名字で日本人が悩むことも少なくなるかもしれませんね笑
国際結婚において夫婦別姓にするか同姓にするか悩まれている方の参考になれば嬉しいです。

hikari
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