金とピンクの刺繍が目を引く「海舟大礼服(複製)」
先日、東京都大田区の勝海舟記念館を訪れました。
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正直そこまで予備知識もなく散歩がてらの入館でした
歴史に詳しいわけではないんですが…
「あの有名な人だよね」くらいの感覚で、ふらっと文化散歩のつもりで立ち寄りました。
海舟に関する展示も丁寧でわかりやすく興味深かったです。
でも、いちばん印象に残ったのは、なんといってもあの海舟大礼服(複製)
その日の思い出や後から調べたことを記録として綴りたいと思います。

一番興味を持ったのは海舟大礼服

黒地に金の刺繍、ピンクの襟と袖口、そして肩にどんと構えた立派な金の飾り。
思わず写真を撮りまくってしまいました。(もちろんOKエリアで!)
展示キャプションによると、この大礼服は、
明治20(1887)年以降、勝海舟が伯爵になった際に着用したもの
明治の正装なんですね。
爵位によって襟と袖の色が決められていて、伯爵はピンク色(桃色)だったそうです。
特に目を引いたのが、肩の金色の立体的な装飾でした。
「この糸、どうなってるの?」と不思議に思って調べてみました。
どうやらこれは籠目金線(かごめきんせん)というそうです。
金属の糸を籠目模様に加工して作るもので、儀礼服や軍服の肩章に用いられる伝統的な技法なのだとか。
ちなみに籠目模様とは、かごの網目のような編み方のこと。
近くで見ると確かに編み目のような模様があり、ただの飾りじゃない立体感があるのも納得。

キャプションには、こうとも書かれていました。
分厚いビロード地の大礼服を身につけ、長時間儀式に参加するのは非常に大変で、海舟の大礼服の内側には多くの汗染みの痕跡があります
ここから、海舟が実際にこの大礼服を着用していた様子が想像できますね。
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重厚な見た目のとおり、きっと暑くて大変だったんだろうな
繊細な技術が光る海舟大礼服の襟元とカフスの刺繍
襟元のピンク地に施された金色の刺繍も見事でした。
葉のモチーフが細部まで繊細に表現され、随所に小さな金属の飾り(スパンコールのようなもの)が配されています。
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この時代からスパンコールがあったの?
それとも複製だから多少アレンジされてるのかな?
驚きましたが、後で調べてみると、明治初期では既に西洋から様々な装飾技術が導入されていたそうです。
それを日本の職人が伝統的な技術と融合させて、このような美しい装飾を生み出していたのですね。
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服飾の歴史も面白い!

歴史を身近に感じる出会い
東京都大田区の勝海舟記念館では、大礼服だけでなく海舟に関する資料が展示されています。
大海原に挑む航海の様子などを分かりやすくCG映像で見ることもできました。
他にも、海舟の印章コレクションなども見ることができます。

また、勝海舟記念館はその建物自体が国の有形文化財です。
西洋の建築技法も取り入れられたモダンな建物なので、そんなところを楽しむのもいいでしょうね。
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私は主に、大礼服と建造物を見て楽しみました!
それほど大きな記念館というわけではないですが、歴史に詳しくない人にとっても発見がある場所だと感じました。


思いがけない発見
私は美術や服飾に興味があります。
なので歴史上の人物が着ていた衣装や建物を通して、その時代に触れられたことは、とても貴重な体験でした。
展示では大礼服の横に金色に輝く装飾が美しい儀礼用の刀剣も展示されていました。
金の鍔や飾りが施された刀身、そして揺れる房飾りなど、大礼服と合わせると一層格式高い印象です。
海舟がこの大礼服と刀を身につけ、明治の重要な儀式に参加していた姿を想像すると、とってもかっこいい!
雨の日の気まぐれな文化散歩で訪れた記念館で、刺激を得た一日でした。
おまけ:洗足池ぶらりとランチ
勝海舟記念館を出た後は洗足池の周りを散歩。
ランチには洗足池駅近くのカレー屋さんを利用しました。
この日は雨だったのですが、晴れた日には洗足池でボートに乗ることもできるそうですよ。


勝海舟記念館アクセス
最寄駅:東急池上線「洗足池」より徒歩15分